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Number 1 Mockingbird Tremolo 85849

オークション等で購入したギターは写真と文面でしか本体を確認する術がありません。 写真では奇麗に見えても実際届いたものを確認すると、思ったほど状態が良くない 場合が結構多いと思います。もちろん文章にウソはなく、過剰な期待がギャップになる 場合も多いでしょう。それを善し、としてそのまま使用するか、使用に耐えないため リペアに出すかは各人の判断に左右されるところです。

今回管理者が飛びついたウルトラレアな格安モッキンバードトレモロも、実際に手にとって みると、そのあまりに雑なオリジナルでないピックガードが許容範囲を越えていました。 もともとシンクロアームからフロイドローズに交換されていたため、オリジナルに拘る必要 もなく、どうせならもっと派手にしてしまおう!とピックガードの特注に踏み切ったわけです。 形状自体を派手に変えてしまうのはウルトラレアなこのモデルの購入理由がなくなってしまう ので、ここは一つ、キルトかトラの入ったメープル材でピックガードを作ってみたい!という 欲求に駆られたのでした。

始めは自分で板材を購入して自作ということも考えていたのですが、加工のためには道具が 必要で初期費用もかかります。また、素人の加工では汚くなりそうなのでプロに任せることにしました。 ヤフオクでピックガード材を探していたときに、たまたま見つけたのが、今回設計を依頼した 神戸のGuitar's Factoryさんです。某有名オーダーメイドショップのwebで見積のページを見ていたら、 穴加工3000円/一個所等、べらぼうに高いその加工費に躊躇していた矢先でした。加工費も良心的 に思えたため、メールで連絡したところ話がとんとん拍子に進み依頼するに至りました。

なんと、雑なピックガードを外すと!!弁当箱ザグリの哀れな姿が。。もともとは3シングルコイル仕様だったのでは?コントロール部はオリジナル加工のようですが、ピックアップの入る部分は明らかに後で加工されたもの。$522だから許せるものの。。。しかしながらオークションに出される前は$1499の値札にバツがついても$999だったのだ。それが$522とは。。

配線もちゃちくて雑。ピックガードの雑なエッジもはっきりわかります。

まずはラフな型紙作成から。フロントピックアップの長いホーンの縁のザグリがピックガードからはみだしていたため、ここを隠すように形状変更。さらにフロイドのザグリ部分やピックアップの穴位 置等も修正を行いました。

ピッタリ隠れています。

フロイド部の平行もばっちり。

これがもともとついていたオリジナルではないピックガード。加工の雑さが良くわかるなあ。。

いよいよ本番用フレームメープル登場!予想以上にでかい板材にびっくり!センター合わせの2ピース。

現在、本マスターができて、材のラフカット・乾燥させている状態です。今回使用するPG材が木材ですので、カット・乾燥が大切になるそうです。 カット後は必ず乾燥期間を持ち、再度加工を繰り返します。急いだ加工をしたら、割 れ・反りなどで痛い目に合います。 。ということです!

2003/Feb/22、いよいよ乾燥とエッジ処理が終わりました!素晴らしい仕上がりです。ピックアップの部分もくり抜かれていますね。わくわくします!

本マスターをもとにして仕上げられた様子が横からみるとよくわかります。メープルの下に重なっているのがアクリル製の本マスターです。この外周にあわせてメープルを削りだしています。ピックガードはかなり厚いですね。レスポールのトップ材と同じでしょうか?テーパー加工されたエッジから見えるトラも美しい。これから着色されるとより際立ってくるはずです!

 

ギターに載せたところ。イメージが膨らんで来ます。

あの雑なピックガードがついていたなんて嘘のような精度の高い加工。

 

キャビティも隠れて一安心。これからネジ穴あけと黒の生地着色、トップコート塗装へと入って行きます。

2003/Feb23 穴あけも終わり、これから厚み調整のためのサンディング加工に入ります。現在5mm程ある厚さが3mm程度までサンディングされて行きます。これはゆっくり時間をかけて行われる作業です。

ネジ穴の面取りもばっちりです。

2002/Mar/9 生地着色が終わりました。

2003/3/23 ついに完成しました! 

下塗りが終わったところ。艶がないのがわかります。

TOPコート工程については写真撮ったのですが、あまり変わりが無いので省略したそうです。TOPが終わり、乾燥させ、#1500までペーパー当てます。 その後、艶だしになります。今回は、バフ機を使わないで、手バフで艶だしされたとのこと。(小さいので、機械を使いバフに引っかけると、木っ端みじんになります。。。。一度経験済み。。。(笑)だとか!) 下記の写真は、塗装・艶だし終了後の写真です。 *バックパネルも製作しています。

PGにシールドテープを貼り、配線です。 VOポット、配線は交換して頂きました。 POTの背中に、てんこ盛りの半田がありましたが、吸い取って有ります。

PG

Bodyに取り付けたところ。

弦の高さをチェック!

完成!!!!Guitar's Factory様、ありがとうございました。


Vintage B.C.Rich Maniacs!
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