Original B.C.RichはやはりSeagull!!

最初はEagleが好きでこの道に入った管理者であるが、最近はSeagullの方がお気に入りである。Bernie Ricoが最初に手掛けたB.C.Rich初のオリジナルデザインによるエレクトリックであるこのSeagullは72年にデビューしてから約三年間しか製造されなかった。その後リイシューとして78年頃に僅かに再生産されているが、仕様としてはEagleを踏襲しておりOriginalではなくなっている。当時の製造本数は年に1000本もないであろうからせいぜい2500本位 が総生産量であろう。Seagullにはその後のB.C.Richの特徴となる代表的な仕様が全て取り入れられている。ヒールレススルーネック24フレット、アクティブエレクトロニクス、タップ、フェイズ、バリトーン、非対称ヘッドデザイン、オールハンドメイド、鋭いエッジの効いた独特のB.C.Richボディシェイプ。但し、仕様については当時から個体差が大きいという特徴も兼ね備えていたため、パッシブ回路のものや、バインディングありなし、指板がエボニーとローズといったバリエーションも多数存在している。

そんな中で、当時としては珍しい部類に入るファクトリーオリジナルのTeal Blue フィニッシュの個体が今回紹介する75/8製造のSeagullである。濃い青に緑がかったシースルーフィニッシュは深みのあるエレガントな雰囲気を醸し出しており、ナチュラルや赤系の多いSeagullの中では独特の存在感をもっている。塗装も個体差がかなりあるようで、この個体は極薄ラッカー仕上げになっており打痕のないところでも塗膜が剥げている箇所が何ケ所もある。 恐らく塗料は76年位に一度材質が変わっており、それ以前の物はミントやエクセレントと言ったコンディションの現存する個体数が極端に少ない。この個体は比較的程度の良い部類に入るが、パーツはオリジナルではない。では詳細を見て行くことにしよう。

エッジはどうしても傷みやすい。

このトグルスイッチキャビティまわりのカーブは二種類あり、この個体はシャープにえぐれているタイプ。このカーブは機械ではだせないだろう。ネックの付け根とボディのぶつかるラインも手作業ならでは。ここまで手のこんだデザインは後のモデルには手間がかかりすぎるため採用されていない。まさに芸術品である。

ギルドのエスカッション痕が塗装の上に残っている。ディマジオよりひとまわり大きい。

リアもディマジオに交換されており、シャーラー製ブリッジもオリジナルかどうかはかなり怪しい。一弦のポールピース位 置にあわないのでオリジナルはバダスであったと思われる。

破損していることが多いシーガルのトグルスイッチまわりだが、この個体は塗装が若干剥がれている程度で良好。

裏の上部にはクラックが入っている。

いわゆるシュープリームの部類に入るバインディングとエボニーの組み合わせ。スノーフレークインレイが特徴。

ジャックプレートはオリジナルのようで、実は交換されているようである。この傷はもったいない。

バインディングも割れているが欠損はない。

この個体はeBayで落札したもの。セラーから送られてきた詳細写 真。この状態で送られてきた。トグルスイッチのキャップはなく、ノブもへんなのがついていた。バリトーンスイッチも破損しておりぐらぐらだった。ポットやスイッチ類はオリジナル。タップスイッチは赤ピン。電気系は良好。当時のオリジナルケースは型抜きされており、非常に重い。送料がかなり高かったのは重量 のせいでもある。

ハワイだと雰囲気が全然違う。。。

小傷はそれなりにあるが、全体の状態としては丁寧に扱われていたことが伺える良好な程度。ボディも軽量 で、ネックの握りも丁度良く管理人的にはツボにはまった逸品(^^) ピックアップがギルドではないが、これはこれで充分ありな組み合わせ。ブリッジはそのうちバダスに交換する予定。ノブは。。。