File No. 66 Eagle 77603(SUZUさん提供)

今回紹介するのはなんと、またまたミュージシャン所有器。SHOGUN、AB'sの芳野藤丸氏が所有していたコアのイーグルである。沖雅也 主演「俺たちは天使だ」松田優作 主演「探偵物語」の主題歌を唄っていたのが懐かしい。缶 コーヒーのCMで最近リメイクしたものも流れている。 そう、まさにあのときにテレビで見たそのイーグルがこれ!である。 ハーモナイズドチョーキングで奏でられるイントロの印象が強烈である。そんな、まさに実体験からタイムスリップしたかのごとく現れたこのギター。当時は細かいことなど何もわからずイーグルというギターだ、ということしか記憶していなかったが、今こうして見てみるといろいろ興味深いことがわかってくる。

では細部を見て行くことにしよう。

裏から見るとヘッドの継ぎ木部分がよくわかる。

今回はじめて登場する77シリアルに102Nの組み合わせ。このくすんだ感じはニッケルの特徴である。102N自体は75年頃まで多用されており、アコギやシーガルのバインディングなしのモデルは殆どこれが使用されている。76年にはシーガルダブルネックにも採用されているが、それ以外でこのペグがついているギターをこの年代では見たことがない。

 

102Nはオールドでも裏に渦巻きがない。

77603 MADE IN U.S.Aの刻印。

 

77の特徴である、黒のエスカッション、フロントがSuper Distortion。

だが、タップは二個で赤ピンではない。この時期はスイッチが混在しており、これ以降のシリアルでも赤ピンは存在している。78XXXまで赤ピンは確認されているが極端に少なくなっている。

バダスは初期ものの特許申請中でMade in Germanyのシールがないタイプ。ネジも短い。

キャビティもタップニ個に伴い仕様変更されたもの。但しバリトーンのコンデンサはロータリースイッチに直付けされており、ブースター基板に内蔵されていない。唯一ジャックプレートが交換されているが、もともと壊れやすい部品でありメインギターであったことを考えれば仕方ないであろう。77シリアルはノンロックのエンドピンが多いが、これはSTRAPLOKが採用されている。

 

エスカッションは若干浮きが見られる。仕込み角はやや深めか。

 

さすがに百戦錬磨の勲章ともいうべき姿のジュラルミン製フライトケース。ちなみに、このギター、吉野氏の記憶では74年にアメリカで購入とのことであるが、年代的に矛盾している。イーグルのデビュー、シリアルからも76年以降でないとつじつまがあわない。