これは凄い!今まで様々なレアモデルを掲載してきたVintage Fileであるが、ありそうでなかった8弦Bich Bassの登場である!Bichのコンセプト、それは12弦ギターから不要な弦を省き、さらに副弦をボディエンドのペグで受けることによりその大胆なボディデザインとヘッドのバランスを両立させることである。更にB.C.Richの最高機種の証しであるダブルブースターを配し、あらゆるサウンドメイクに対応するようデザインされている。そしてそのギターのコンセプトをベースに受け継いだのがこのモデルである。ギターと異なる点は、主弦に対して完全に副弦がペアとなって対応していることである。つまりベースにはオクターブ上の組み合わせとして考えた場合に不要な弦はなかった、とういう結論である。というか、デザイン的に6弦ベースにしたらあまりにアンバランスなので、8弦にしたと言う方が説得力があるだろう。いや、もしかしたらベースのデザインとしてのアイデアの方が先だったのかもしれない。ビッチに関しては他にも謎が多い。クラウドインレイでありながらバインディングなしのハカランダ。5ピースではなく、主流は3ピースのボディ。30inchのショートスケールネック。そして細部にも興味深い仕様がいろいろあるのだ。。 |
この美しいバーズアイが目をひくメープルネック。バックパネルはギターの同年代ものと同じ先端の尖ったタイプ。 |
B.C.RichのPタイプピックアップは配置がリバースになったものを良く見かける(というか本当はどっちが正解か管理者にはよくわかりません(^^);)。 |
ストラップピンは上下とも移動されている。 |
キャビティには大きさの違うブースター基板が二個収められている。varitoneのコンデンサが片方の基板にハンダづけされている。 |
美しいハカランダにクラウドインレイ。 |
ロゴは突起無しのタイプ。表から見ると副弦のボールエンド部は自然なのだが、 |
裏から見るとかなり無理して配置している苦労がうかがえる。ネックがショートスケールということもあってか、継ぎ木はない。ボールエンドのまわりの金属はダダリオ弦に付属のリング。 |
ヘッドの角度は緩やか。 |
ジャックプレートは交換されている。ゴム足の取り付けカット面 は黒く塗装がされている。 |
さて、副弦には専用弦を使うのが正しいのか、ギター弦を張るのが正しいのか。 ギター弦であれば、ショートスケールでないと弦長そのものが足りなくなってしまう。 |
ブラスナットはオリジナルであろうか? |
ロッドカバーのネジが一つ交換されている。さすがに弦は入り組んで配置されている。 |
なんとバダスが改造されて穴を空けている。しかも左用も兼ねるために左右に穴が空けられているものと思われる。Quadmaticのヒントになったのか?? |
仕込み角は浅め。 |
ネックの付け根はかなり盛り上がっている。 |
更に興味深いのがこのペグ。ギター用150Cなのであるが、なぜか全部近年ものである。一個破損であればこの年代のものに交換しても良さそうなのだが。。近年ものの150は裏蓋が平らになっている。また、本体が一体成形されており、ボタンをはずしても左右の変更ができない。片側4連だけでこのペグをそろえるのも困難なのである(2set必要)。 |
こうして見ると、なぜBich Bassがショートスケールなのかよくわかる。ショートスケールでありながらボディ自体はロングスケールのイーグルやモッキンよりも大きい。また副弦用ペグの取り付け位 置の関係からブリッジの位置はかなりヘッド寄りにせざるをえない。これをロングスケールにしようとしたらボディが超巨大化するか、お尻をでかくするしかない。 |