続いては、1982年製のMockingbird Tremelo Modelである。片側六連ヘッドにRロゴの採用されたモッキンバードはいくつかのバリエーションが存在するが、おそらく最初の正式なカタログモデルがこのトレメロモデルである。別のカタログにはMockingbird IIとして表記されていたものがあったような気がするが資料がないため参考まで。管理者所有の改造だらけのFile No.89のオリジナル版コアボディバージョンである。改造だらけでわからなかった部分がオリジナルで確認できるのはありがたい。

82年のカタログに正式ラインナップされたトレメロ（トレモロではない）モデルの初年度モデルである。何年間製造されたかは不明だが個体数は少ないと思われる。カタログ上は82年版にしかラインナップされていない。イーグルとモッキンバードの二種類のボディシェイプが存在（カタログにはイーグルシェイプしか写真が掲載されていない）し、３シングルコイル、フェンダースケールの25.5インチ、21フレット、各ピックアップに配備された３ポジションのオンオフスイッチ（フェイズの切り替えが可能）、シンクロナイズドトレモロブリッジ、またそれ用に厚くデザインし直されたボディ、ストラトと同じ構成のボリュームとトーン（フェイズアウト時はトーンがバイパスされる）、ブラスピックガードが特徴となっている。ボディ材についてはカタログ表記されていないが、メープルとコアが確認されている。ピックアップはディマジオ、またはビルローレンスと表記されている。カタログが見づらいが、ノブはオリジナルかどうか不明である。ペグも片側六連タイプにはミニシャーラーがオリジナルであり、この個体もそれを踏襲している。

どこまで読めるか、カタログの英文は、

TREMELO MODEL Available in the Mockingbird and Eagle
body styles, features include conventional 21 fret rosewood fingerboard
in a 25 1/2 scale, three pick up configuration coupled to our handcrafted
one piece through the body heeless construction. Electronics include
master volume, rhythm pick up tone control, middle pick up tone control
Each pick up has its own 3 way on/off switch, （読めない）out of phase switch-
ing. Hardware include Brass bridge, pickguard and head plate, genuine
bone nut and DiMarzio or Bill Lawrence pick ups. (良く読めました（笑））