File No.30 Eagle-81025

今回30番を飾るのは海外のネットオークションで競り落とした78年頃のEagle 5 pieces Koaである。このEagleは自殺することを考えていたある青年を思いとどまらせた今回の売り主の女性に10年程前にその青年からギフトとして贈られたものである。その青年はミュージシャンであり、沢山の機材と才能を持っていた。その数年後、その青年は自分の新たな人生を見い出しボストンに恋人と移住した。それ以来売り主はその青年とは接触を断ってしまった。彼女はもはやギターを練習するための余裕がない。彼女は仕事や別 の興味に忙しく、またギターのレッスンを受けても上達しなかったため、このEagleを宝の持ち腐れと考えるようになった。

そしてオークションにかけることになったのである。彼女とこの青年の間に恋愛関係はあったのか?このEagleを思い出として持ち続けることが彼女にとっては辛かったのであろうか?そんなことは詮索しても野暮である。そしてEagle自身も彼女の元を去ることを望んでいたのであろう。我が家に届いたその姿は10年間殆ど触れられることなく放置されていたかのような埃だらけの状態であった。

オールドギターはみんな様々な過去を持っている。数奇な運命を辿るものもあるだろう。しかしギターには何の責任もない。ギターに宿る魂は、不幸な所有者のものではなく、ビルダーや職人のものなのだから。彼女はEagleが私に引き取られたことを大変喜んでくれた。そして最後にこう結んだ。「少なくとも私のところにこのギターがあるよりも、何かは良い方向に進んでいる。」と。

埃だらけであったものを磨きあげた状態。ミントとは言えなくともエクセレント+位 の程度良好な個体である。 一部ジャックまわりの配線ミスがあったが、配線し直して問題なく動作している。

 

オークション掲載時の写真。ノブがボリュームはスピードノブに交換されており、トーンはメタルトップが剥がれた状態であった。

ヘッドは一般的なオールドスタイルであるが、81シリアルなのにRロゴは突起がないタイプ。これはコアシーガルも共通 の仕様。同年代でも二種類存在するのはビルダーの違いによるものであろうか?

ピックアップはフロント、リア共Super Distortion(Dual Sound)。81にしては珍しい仕様。交換されていたとしても同年代のもの。

バックの画像。美しい。

継ぎ木の部分は杢が出ている。

MADE IN U.S.Aの刻印。

仕込み角は標準的。ネックは他のコアイーグルよりも若干太め。

ストラップピンは交換されている。ネジが長過ぎて貫通 するのを防ぐためにストッパーを付けてある。いずれ交換する予定。

ジャックプレート、ジャック共交換されている。

ノブは秋葉原で売っているものと交換した。ブースターボリュームノブはオリジナル。なお、この個体のボリュームは非常にトルクが重い。三つ共同様に重いため、オリジナルと思われる。もともとB.C.Richはオーディオ用のポットを採用しているが、個体によって全然ものが違う。バリトーンもシャフトの径やトルクが年代によって異なっている。

ケースは同年代の他のモデルと同様、青い内ばりの角ケース。裸のままFEDEXで送られてきたため、把手にまだ書類が付いたまま。

コアイーグルの集合写真。区別が付くだろうか?

おまけ

 

 

 

Vintage B.C.Rich Maniacs!
http://bcrich.net

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