Quadmaticのびびり解消法(技術指導 by 師匠)

80年になってからRichのブリッジはそれまでのバダス(稀にシャーラー)から自社製のQuadmaticに変更される。バダスとの大きな違いは、各弦の弦高調整が独立して行えること、弦を裏から回して通 していないためコマと弦の終端の角度が緩くテンションが弱いこと、コマの固定にスプリングを使用していること、ごつい!こと、等があげられる。

このスプリングを使う、という構造上調整の仕方によっては共振してブリッジ付近でビビりを発生することがよくある。そこでこのビビりをなくすための調整方法を紹介する。

ビビりの80%はこのスプリングがのびきって弦振動により動いてしまうことによるものである。そのため、スプリングをオクターブ調整後も適度に縮んだ状態に保てればスプリングの振動は防止できるわけである。

QuadmaticのQuadはスタッドによる全体の高さ調整、スタッドとブリッジとの距離を調整する六角ネジによる位 置調整、各サドルの六角ネジによる高さ微調整、サドルのオクターブ調整の4つをさす。これらを巧みに調整するのである。

1. まず適当なサドルを伸ばし切る。次に一つ飛ばしたサドルを目一杯締め付ける。間のサドルをその中間よりやや締め付けた位 の位置にする。そして、他のサドルの位置を全部それに合わせる。この段階でオクターブは合わないが無視する

2.次にブリッジ本体を六角レンチで前後に移動させる。この段階で出来るだけオクターブが合うように左右の角度等もつけながら調整する。(六角レンチはインチ規格の一番細いもの)

3.ブリッジ本体の位置が決まったら、サドルを前後に移動させてオクターブを完全に合わせる。 この方法で8割方スプリングの共振は無くなるはずである。 これで駄目な場合は、再度基準にするブリッジをさらに締め付けた状態にしてもう一度調整する。

4.あと20%の原因はサドルの六角ネジである。これがきちんと本体に接地していないとビビルことがある。このサドルは指板のアールに合わせて各弦高を調節出来るが、各サドルを斜めにすると六角ネジの片側にの付加が軽くなってしまいビビリの原因となるので、出来るだけ各サドル自体は本体と平行にする。

 

以上でQuadmaticのビビりから解消されるはずである。お試しあれ!!