今回紹介するのは、非常に興味深い最初期のSeagull2である。 SeagullからEagleへの過渡期にわずかに存在するSeagull2は、その仕様も過渡期故さまざまなバリエーションが存在する。おそらくこのSeagull2はプロトタイプ的な要素が強い個体である。75年製のSeagullの特徴であるギルドのカバードピックアップでありながら、76年に採用されたダイヤインレイを合わせ持つシリアルのない個体だ。シュープリーム仕様のバインディングにエボニー指板、インレイは従来のスノーフレークからダイヤに変更されている。この時期、既にディマジオが搭載されている個体も存在する。後の標準仕様の指板ではブラジリアンローズにダイヤであるが、エボニーでダイヤインレイが初めて採用されたのも興味深い。クラウドも同時期に登場している。 さらにピックガードレスや5ピース等、わずか数ヶ月の製造期間で100本に満たない本数しか存在しない割に、バリエーションに富んだラインナップとなっているのが特徴的である。 パーツはゴールドで統一されており、材はマホガニーである。 |
ヘッド裏にシリアルはない。150Gが高級感を醸し出している。 |
縦長のRロゴは75年に多い仕様。この年代の塗装はラッカーが採用されている。 |
イーグルへの変化を想像させるヒールデザイン。ストラップボタンの位置もウイングの斜面にあるものと真裏にあるものがある。 |
迫力あるサイドからのアップ。仕込み角は標準的。 |
ジャックプレートも高級タイプの角が丸い仕様。 |
なんと、フェイズスイッチは黒ピンである。以前タップスイッチの青ピン仕様もあったので、Seagull2では他にもカラーバリエーションがあるかもしれない。 |
キャビティ内部。バリトーンのコンデンサは古いタイプであることがわかる。 |
回路はフルオリジナルのようである。オリジナルのギルドピックアップは4芯シールドではないので、B.C.Richで4芯改造されている。オリジナルのタップは、フロント、リアのコイルを同時に切るタイプだったことがわかる。後のタップはフロント、リアの独立シリーズパラレルとなる。 |