さて、2003/Mayに納入予定だったTAKEさんのPMS Bich#6がようやく納入された。 御存じPrototypeの最初のBichの完全なリイシューであるProto Model Seriesは、77年当時の製造工程、職人によるハンドメイドになっている。回路も当初日本のユーザー専用だったトリプルブースター、バリトーンオンオフ、スタンバイを追加したものになっている(あるユーザーがこのサイトを見て自分のものもこの仕様でオーダーしてしまったため、日本専用ではなくなってしまった)。製造本数は15本である。木工、アセンブリはMoser Custom Shop、塗装はGMW Guitar Worksで行われている。USでのB.C.Rich定価はUS$8000 + Hard Case $100であるが、この特注回路代は含まれていない。当然正規輸入代理店では取り扱えない商品であり、Vintage B.C.Rich Maniacs!からオーダーされた分だけが日本に輸入されている。現在確定分で4本が輸入される。2003/Sep/7現在最後の一本#15がキャンセルされてオーダー可能になっている。 |
ハードケースはB.C.Rich純正のOEM生産を行っているG&G製。Vintage と異なるのはフォームフィットのインテリアになっている点。 エクステリアは全く同じ。 |
このハードケースをあけた瞬間、オーラがでているのを感じてしまうのは管理者だけではなかったようだ。 |
柾目のアフリカンブラックウォルナットのウイングは当然ワンピースである。マルーンに着色されたメープルネックは当初木目の節を隠すために採用された色であるが、完全にプロトを再現するために、PMSではあえてこの色が採用されており、トレードマークでもある。白のトグルスイッチキャップはGibson製に交換されている。 |
バックプレートにはまだ保護シールが残っている。Vintageを新品で買う、という究極の願望を満たしてくれる。 |
上品な柾目ではあるがエッジにはうねりが見られる。何も知らなければコアと言われても疑わないかもしれない。細かい点ではエスカッションは当時なかったつや消し、ネジも黒である。 |
光りの当たり具合でその木目の深みがよくわかる。 |
ストラップロックは当時の形を再現したもの。ヒール部分の形状は#7と同じ。おそらくこの15本は同じテンプレートで作られているため、ネックの握り等も同様であろう。 |
もうひとつのトレードマークである、Rロゴとストリングガイド。これが欲しかった、と言っても過言ではないだろう。 |
パーツ類は現行品のため、渦巻きバックではない。シリアルは塗装前に刻印されている。 |
これはまぎれもなく日本のユーザーのみの特注仕様である副弦用ストリングガイド。 アメリカ人は大雑把だからこんなところにはこだわらないのだ。 |
B.C.Rich王道のPAF + Dual Sound。B.C.Richにオリジナルハードウェアがない、ということを言う人がいるが、最初に四芯シールド改造をDiMarzioに特注したのはB.C.Richである。後のQuadmatic BridgeもB.C.Rich オリジナル(設計はBernie Rico,初期の製造はケーラー、後にアジア製)である。当然この回路もNeal Moserのオリジナルである。トレブルブースターは従来のブースターとはキャラクターが全然違う。トレブルブースターはオンオフのみでボリュームはついていない。バダスも現行のスタッドが大きくお尻が丸いもの。また、ブースターの当初の設計者の狙いは、バリトーンと組み合わせて使うことにより、ロスした出力を補うため、という用途を想定していた。実際にはチューブアンプと組み合わせて独特の太いディストーションを得ることにその真価がある。(と管理者は考える)チューブアンプのナチュラルディストーションはエフェクターが普及した現在でもそれにとって替わるものではない。バリトーンを一つまわしてブースターオン、そしてハイゲインのチューブアンプでリードトーンを出してみると良い。これは紛れもないB.C.Richの音である。 |
実はかなり細かい点も再現されている。このジャックプレートは角が丸い初期のもの。同様にバックプレートの形状も後期タイプとは区別 されている。 |
ゴム足のカット部分は塗装されている。 |
管理者のコアビッチに木目がそっくり。 |
お約束の鑑定書とNealの写真。帽子なしバージョン。 |
製造工程の写真はCDROMに収められてオーナーに贈られる。 |
塗装前にペンで木部に着色されたシリアル。 |
Nealのサイン。 |
Vintage B.C.Richに採用されていたものと同じMADE IN U.S.Aのスタンプ。 |
TAKEさんのBichコレクション。 |