File Number100 PMS Bich #7

今年のプロジェクトは半端じゃない!

さてVintage Fileと兼用のこのページであるが、数年来の読者であればご存知の通 り、当サイトではたまーに、オリジナルグッズを作って売っている。ライターから始まってTシャツ、販売目的ではないスタンド等。そして今年もそのプロジェクトが突然やってきた。なんとオリジナルのプロトタイプ一号機のBichを特注して作ってしまおう!という企画なのだ。もちろん現在のB.C.Rich にオーダーしたところで当時の仕様を満たしてくれるわけがない。ただでさえこのサイトでは「近年モノ」として区別 している現行品だが、さらに悪いことにBernie Rico Jr.が会社をHHIに売却して以降、B.C.Rich内部にはハンドメイドギターを作るカスタムショップがなくなってしまった。今はVoodoo Guitar Worksに外注に出している有り様である。しかもVoodooではCNC ルーターを使用しているため、もはやハンドメイドではないのだ。さらに月産四本程度の製造能力しかないのである。

しかしながら、このサイトでもお馴染みのNeal Moser が自社のMoser Custom ShopでBich生誕25周年記念としてB.C.RichブランドとしてのOEMでオリジナルプロトに準拠した仕様、製造行程のBichを製造することになったのである。問題の価格はB.C.RichのRetail PriceでUS$8000!! 仕様はアフリカンウォルナットのウイングにシースルーマルーンカラーに着色されたメープルネック、ヘッドの仕様も裏通 しではないオリジナルを踏襲している。ロゴのサウンドホールが空いていないのが残念ではある。詳細についてはB.C.RichのNAMM2003のページを参照。 Neal Moserのwebsiteにも詳細あり。

この写真をみて気付いた方もいると思うが、限定15本のPMS Bichではあるが回路が現行のBichと同じなのである。しかしオリジナルはさらにトレブルブースター、バリトーンオンオフ、スタンバイスイッチが追加されているのである。そこでなんと管理者はこのオリジナルプロト回路と完全に同じ仕様で日本のユーザー向けにオーダーしたのである。募集は裏BBSで行ったところ、管理者含め三名がオーナーとして名乗りをあげたのである。ただでさえ完全な当時の設計方法、職人、ウッドショップによる組み立てはとても手間のかかるものである。そこに特注で日本向けに三本だけ回路追加を依頼したのだ。さらにストリングガイドのスクリュー追加という小技も忘れてはならない(^^) 世界に三本のみ、本物のVintage Richの垂涎のプロトビッチが新品で手に入るのである。しかも価格は管理者とNealのコネクションによりスペシャルディスカウントが適用されている。回路追加もサービスでやってもらった。悪名高いオークションの転売屋がどんなに足掻いても入手不可なのだ。ラッキーなオーナーの方の愛機は到着次第Vintage Fileで紹介していく。(No.99,100,101を予定)

特筆すべきはこの回路であろう。リアピックアップ横にはトレブルブースタースイッチがついている。そう、このビッチにはブースターが三個入っているのだ。さらにバリトーンノブはボリュームノブと兼用、バリトーンのオンオフ、スタンバイスイッチが追加されている。

このヘッドも特徴的である。サウンドホールが欲しかった(^^)

Nealのサイン入り。マルーンといってもサンバーストカラーのレスポールのバックと同じ様な色である。

シリアルはこんな感じ。

新品なのでビニールシートがまだついている。

ストリングガイドのスクリューは追加したもの。

パーツは近年ものの新品なのは仕方がない。

ディマジオの最近のものは穴が少なくロゴが刻印されている。

ボールエンド押さえは牛骨製。

MOPが贅沢に使用されている。

ヒールは最近のものに近い。

証明書にニールとこのギターの写真。

ケースはG&G製、さらにおまけが。。

おまけCD-ROMにはこのギターの製作行程がおさめられている。素晴らしい!これだけ丁寧な対応をしてもらえれば、オーナーの満足感はかなり高いだろう。うわさではキャビティに自分の名前が入っているらしいぞ(^^) 至福の特注です。


Vintage B.C.Rich Maniacs!
http://bcrich.net