File Number 80 Acoustic Custom Made A8203(tatsuさん提供)

これは非常に珍しい82年製と思われるCustom Madeのアコースティックである。実はこれ、某楽器店にかなり以前から置いてあったものであるが、当初私は国産かと思い購入を躊躇していたものである。しかし実際にこれらの写 真を見るとその作りや使用部品からhandmade in U.S.Aであることがわかる。では細部を見て行くことにしよう。

特注品であることの証し。ブラスロッドカバーにCustom Made By B.C.Richと彫られている。セル巻きヘッドも80年代のSupreme仕様に一致する。

Rロゴはアコギを象った通常では見られないタイプ。ベニア中央にある糊の痕はそこにメダルのようなものが接着されていたものと想像される。

シリアルはA8203。このシリアルはエレクトリックでは見られない。インポートものであればBCやBで始まるものが確認されているが、このシリアルの字体はハンドメイドもののそれと一致する。Aはアコースティックを表すと考えると、82年の3本目(のカスタム)と取るとすっきりするのだが。。。国産ものはペグにシャーラーは使わないので、86シリアル当たりからシャーラーが多用されたことを考えるとこれも82年製と一致する。

残念ながらトップにネックリセットのリペア痕があるが、しっかり修理されているため問題ない。マザーオブパールのクラウドも国産では使用されていない。エボニー、バインディングとSupreme仕様になっている。

そしてこの見事なバーズアイメープルにサンドイッチされたハカランダ。実は80年代初頭にBernieは今まで使用し続けていたハカランダが残り少なくなってしまったため、それを使い果 たしてサイド、バックにハカランダ、スプルーストップのジャンボタイプのアコギを作っていたのである。その数は約15本。(Nealからの回答)これはメープルにサンドイッチされているため、これがその15本の一本なのかは不明だが、時期的に一致する。ハカランダが残り少ないために、バーズアイメープルと組み合わせたことも考えられる。

ブリッジにもインレイ入り。

べっ甲柄のピックガードは薄いタイプで、これもB.C.Richのアコギによく見られる仕様。サイドのハカランダはボディエンドに行く程その比率が増えている。

ボディバインディングにもハカランダもしくはローズが使用されている。

バーズアイの美しさに目を惹かれる。

こうしてみると、かなり手のこんだ作りである。