今回紹介するのはレアカラーの77年製モッキンバードベース、ショートホーンである。センターマルーンの塗装はBichのプロトタイプが有名で、年代的にも77年デビューであることから、同じ配合のシースルーであると思われる。センターだけ塗り分けたタイプではマルーンは人気色で比較的多いが、ブラックやレッド、さらにはバイクのタンクを思わせるメタリックのパープルやブルーなど様々なバリエーションが存在する。ウイングがナチュラルカラーなため、シースルー系の色はマッチするが、大胆にメタリックを使うところはアメリカ人のセンスなのであろう。 ベースはギター以上にピックアップのバリエーションが多い。Pタイプのピックアップに関しては、エスカッションを組み合わせたもの、ボビンの配置が逆のもの、そしてピックアップの取り付け位置がネック寄りのものである。全体にピックアップがネック寄りの配置は初期のモデルに比較的多く、おそらくフェンダー社のプレシジョンベースのピックアップ位置を意識したものと思われる。 今回のこの個体は、ショートホーンにレアカラー、ピックアップ位置がネック寄りの組み合わせである。 |
ウイングの木目が印象的である。ナチュラルに比べカラーものは塗装のはがれが目立ちやすい。センター材はメープルのようである。 |
77の特徴である赤ピンにタップ共用タイプの回路。スイッチが一つ交換されている。ノブも秋葉ノブに交換されている。 |
ハカランダにダイヤの指板 |
突起付きの太めのRロゴ。ナットは交換されている。 |
シリアルは読みとりにくいが、MADE IN U.S.Aの刻印も見える。 |
ストラップボタンが移動されている。 |
仕込み角は浅め。 |
隣にあるのは80年代中期のNJシリーズのビッチベース。逆輸入品なので、日本には数が少ない。このピックアップ配置も珍しい。 |