File Number 119 PMS Bich #11

15本限定で製造されたProto Model SeriesのBichもいよいよ最後の一本となり、オーダーから一年経ってようやく手元に届いた。このギターがつくられた経緯にはあまりにも多くのことがあり、ここでは書ききれないが、一言で表現するなら、それはニールモーザーとVintage B.C.Rich Maniacs!とのコラボレーションであり集大成である。ご存知の通り、これは試作一号機のBichを再現した新品である。当時の職人が当時の作り方を踏襲し、Moser Custom Shopで製造されたOEM製品で、折しもBich生誕25周年を記念して限定15本が製造された(本当は25本の予定だったがB.C.Richとの契約上の問題で途中で契約が打ち切られ、仕掛かり中のものがB.C.RichではなくMoser Custom Shopから販売された)。当初は完全なコピーではなかったのだが、管理者要望により、トレブルブースターを始めとした回路の再現が日本向けに提供された。しかしこれは後に標準仕様となってしまい、皮肉なことに通常のビッチと同じ回路の方がレアになってしまった。だがストリングガイドは日本向けにしか搭載されていない。今回更に最後の一本ということで、現在のプロトと同じ状態を再現してもらった。ブラスエスカッションに、リアをX2Nというおなじみの姿でファクトリーオリジナルの鑑定書付きである。ウイングはアフリカンブラックウォルナットだが、二本を並べてみると#7とは杢も色も全然違う。ネックはもともとかなり太いが更に太く感じる。もしかしたら弦の太さが違っているためテンションの違いによる感触かもしれない。

回路はPMS#7と同じ。ブラスエスカッションに色の濃いウイングはとても安心感のある見慣れた表情。

特別仕様のヘッド。これも最初みたときは衝撃的だったが、今再現されたものが手元にあるのは不思議な感じがする。

Nealのサインにシリアル、Made In U.S.Aのスタンプが塗装の下に施されている。ペグは現行の109C。

G&Gの落とし込みケースに鑑定書とこのギターが出品されたギターショーの写真入りCD-ROM、製作過程の写真入りCD-ROM。

 

PMS#7と異なりロックピンは現行の形に変わっていた。

ボトムウイングの杢はちょっと派手。

角度や光線によって表情が異なる。

手前にピントが合っているので#11はぼけているが色の違いがわかる。

バックの画像。

最終的に全15本のうち日本には4本出荷された。こんなちっぽけな個人サイトが、正規販売店を出し抜き独占輸入できたのはなんとも痛快で楽しい経験だった。もうRロゴの入ったオリジナルプロトビッチのレプリカは永遠に製造販売されることはないだろう。


Vintage B.C.Rich Maniacs!
http://bcrich.net