File Number 84 Seagull Custom Made508155

こんなSeagull見たことある?

さて、今回紹介するのはなんと、Neal Moser本人が自分自身のために特注したSeagullがまわりまわって日本にやってきたこの個体である。一見するとSpecialの回路に似ているが、これのオリジナルは73年に作られたSeagull Prototype#2 である。73年当時、Seagullは12本作りかけの状態であった。そのとき既にBernieによってデザインされていたボディにNealのデザインした回路を採用すべく両者は手を取り合って現在のフルエレクトロニクス仕様のB.C.Richが誕生したのである。そしてこのProto#2(#1はBernieの友人が所有)だけは特別 仕様の回路を採用していた。今回紹介するこの個体は75年にその回路と同じ仕様で指板はNealの好きなBrazilian Rosewood/without Binding仕様で作ったものである。

さすがに細部の部品は交換されているものが多い。ロッドカバーもオリジナルではない。

パネルも広くざぐられたキャビティにあわせて大きくなっている。

 

そして、これがオリジナルのPrototype#2(本邦初公開)ピックアップはGibson製。インレイはNealがカスタムデザインしたもの。これはエボニーのバインディング付きネック仕様。

そして。。このNealの友人Rolが弾いているのが正に今回のこの個体そのものである。パーツはオリジナル。当時RolはNealのバンドのドラマーで、ライブの途中でパート交代する曲があった。そのため、ドラマーのRolがNealのSeagullを弾いているのである。ピックアップやノブ、ブリッジがオリジナルと異なっているのがわかるが、ボディの色目はそっくりである。インレイ、ネック仕様もそのもの。

Rolの写真から判断すると、これのオリジナルピックアップはGuild、DiMarzioではなくGibsonだったように思える。インレイはスノーフレークの簡略パターン。ちなみにこれと同じネック仕様でピックガードがなく回路もフルエレクトロニクスからバリトーンが除かれた簡略化されたタイプのSeagullをSeagull Jr.と呼ぶそうである。てっきりSeagull2とJr.は同じものだと思っていた。

ピックアップはDiMarizio、ブリッジはQuadmaticに交換されている。ノブも交換され、スイッチにはキャップが被せられている。このコントローラーは、

ボリューム × 2  
トーン × 1  
バリトーン切り替えスイッチ × 1
フェイズスイッチ × 1
デュアルサウンド(タップスイッチ) × 1
ブライトスイッチ × 1
ブースター(スイッチ・コントロール) × 2
ステレオスイッチ(リア・フロントをステレオで出力) ×  1

となっている。ブライト、ステレオ、あたりが斬新。

2002/Nov/24
どうもブライトはフロントピックアップのタップ、ブースターの一つはリア専用のようである。

 

Oct/1/2002

えのもとさんより追加の画像が送られて来ました。おぉ、凄いぞ!コントロールの説明が写 真に入っている!!!ノブもオリジナルに戻っているぞ!グレート!

なんと、バックパネルの中がアップで!!!バリトーンのコンデンサなんかはまさに75年であることの証明ですね。このルーティングも特注そのものです。え?コイルが二個入っています。バリトーンのコンデンサも倍あるような??ポットとスイッチの間に抵抗が入っていたり、もう理解不能です!!

 

2002/Nov/25 管理者がえのもとさんより譲り受けました(^^);。

リアパネルの裏面にはHollywood Music Storeのシールが貼ってある。

ストラップピンはノンロック。

ブースタースイッチはその部分だけ穴があけられている。

 

ステレオスイッチだけon-off-onの3ポジションで赤ピンではない。

ピックアップはDiMarzioのSuper2と思われる。初期のリッチにはSuper Distortionよりもターン数の多いSuper2が採用されているものがある。ポールピースが黒いのが特徴。

ジャックプレートは交換されている。穴が埋められて再度あけなおしてある。

ペグはスターグローバー。 だが、オリジナルはおそらく150。その後シャーラーに交換され現在のものに交換されたのであろう。ネジ穴は全てダミーネジで塞がれている。

 

ネジ穴は一つなので、あのロッドカバーはオリジナルであろう。

裏面にはサインと日付けが。

MOPのインレイが入っている。